院内研修

大塚歯科医院では、最新の歯科治療を学ぶために院内研修を行い、
歯科医師・歯科衛生士など職域を超えて知識を共有し、医院全体のレベルアップを図っています。


6月勉強会 (6月6日)

6月の勉強会は、前半は毎年実施している防災訓練を実施。
後半は当院歯科医師 小倉先生に講義をして頂きました。

<防災訓練>
動画視聴
タイトル:地震から命を守る家具類の転倒・落下・移動防止対策
―東京消防庁公式チャンネルよりー

地震大国日本において阪神淡路大震災や東日本大震災クラスの地震はどこでも発生してもおかしくないという事は認識しておく必要があり、昨今、比較的大きな地震が四国内でも感じられることが増えたように思います。近々起こるとされている南海トラフ地震、いつ発生してもできるだけ被害を最小限に抑えられるようにする対策や 心掛けを持っておくようにはしたいものです。
防災訓練の実施は義務化されており、優心会でも年2回実施しています。しかしながら、コロナ禍に入ってからは、感染予防のため、模擬消火訓練や避難訓練といった、密を生じる訓練内容での実施ができておらず、一人ひとりに防災の意識づけをすることが難しいなと思っています。
今回は家具転倒防止対策に関して、事前に医院内の現状を巡視し、問題点の抽出をおこなった上で、実際の対策について動画を用いて理解を深め、各院において、早急に改善できる箇所から改善を図っていこうということになりました。棚など転倒の恐れのあるものに関してはレイアウトの見直し、転倒による直接的な怪我、火災発生、避難障害の防止を図るとともに、L型金具・ポール式器具・ストッパー付きマット等を使用して転倒防止対策を講じる必要があります。歯科医院においては鋭利な刃物、劇薬などの薬品の取り扱いも多いことから、地震対策のためだけではなく、常日頃からの整理整頓を心掛ける必要があると感じました。観音開きの棚においては地震規模によっては容易に開いてしまい、収納された物品が散乱する可能性が高いので、簡易なフックのようなものの設置も検討する必要があると感じました。

<院内研修>
研修名:院内感染対策(施設基準)
講 師:小倉 直 先生

コロナ禍により、人々の感染対策に対する理解・意識は非常に引き上げられたことは、なんとも皮肉な話です。しかしながら、医療現場においては様々なシチュエーションでの感染リスクが待ち受けています。そもそも感染対策として講じるべきことは?万が一、感染が疑われるようなことになった場合、どのように対処すべきなのか?拡散しないためにはどう行動すれば良いのか?といったことを改めて学び・考え、日々の診療に細心の注意を払ってあたることを意識させるための重要な研修でした。
今回は、HBV・HCV・HIV・TPといったものへの理解を深めました。中でもHBVに関しては未だ有効な治療方法は確立されておらず、肝硬変や肝臓がんへの移行リスクも高いことから、新型コロナウイルス感染症なども含めた他の感染症と比しても一層の注意が必要と考えられます。HBVは血液感染によるものなので、特に歯科治療現場においては針刺事故や血液の飛散による粘膜を介した感染への対策が重要ですので、「感染を起こさない」ということが何より重要ですが、万が一にも感染を起こした場合に備えてのワクチン接種やマスク・フェースシールドなどによる対策も重要と言う事を再認識できた研修でした。

<訪問口腔リハビリテーション>

歯科治療には、保険診療と自費診療とがあります。
保険診療とは、国が定める規則に従って定められた診療報酬のもと、患者様に提供される診療になります。この規則が、2年ごとに改正が行われています。この改正内容から、日本社会における歯科医療へのニーズや国が重点課題とする分野を推し量ることができます。
優心会では今回の改正で訪問診療における「訪問口腔リハビリテーション」や「栄養サポート」といった分野への舵切りがなされたと捉えています。平均寿命が年々延びる一方で、「健康寿命」というものが注目されています。人にとって最後に残る「食べる喜び」をサポートすることが、私たち歯科医療従事者の使命であることを再認識しました。単にむし歯や歯周病を治療し、予防に取り組み、入れ歯を作り、噛めるようにしても、飲み込むことがままならない、となっては結局食べる喜びを失うことになるのです。 口腔機能が低下した患者様、摂食嚥下障害を患っている患者様に対して、訪問口腔リハビリテーションを実施し、栄養士さんなど多職種間での連携を図って取り組んでいけるよう、今後、院内勉強会で様々なリハや管理指導方法を研修できるので楽しみです。

        

歯科医師 阿部 隆

5月勉強会 (5月10日)

<WEB研修>
①研修名:磁性アタッチメント
  講師  :日本歯科医学会(ナレーションのみ)

近年、むし歯の罹患率や歯の喪失率は減少傾向にあります。これは、社会的にみて歯科においても予防歯科という考え方が徐々にではありますが浸透してきていることの現れだろうと思います。しかしながら、高齢化の進む日本社会においては、歯を失ったことで「義歯」を使用する必要性に見舞われる方はまだまだ多いです。とりわけ、総義歯においては、「外れやすい・しっかり噛めない」などの訴えに直面することが日々の臨床においても少なくありません。こうした問題の解決策の一つに「磁性アタッチメント」があり、これまでは全てにおいて自費診療だったのですが、昨年9月から保険適用となりました。
これ用いることで、義歯としては「支持・維持に優れる」、「着力点が低くなり歯にかかる負荷が軽減できる」、「鉤歯の歯軸方向を気にするといったことがなくなることで着脱が容易となる」、といったことが期待できます。患者様のQOL向上につながるとともに、義歯に対したもたれがちなマイナスイメージも多少、変わってくることが期待できると感じています。
今月の勉強会では、あらためて磁性アタッチメントの製作手順や注意点を学びました。
「形成→印象→根面板・磁性アタッチメント・キーパーの装着→清掃・管理」について、一連の臨床術式を動画で確認しました。
特に形成においては、「軟化象牙質を残さない」「ポストの太さ・長さの過不足ないように設定する」「SCTAを阻害しない適切なマージン設定を行う」
印象においては、「圧排糸などを用いて防湿環境を整えたうえで実施すること」「アンダーカットのない外側性・内側性に注意した形成が行われていること」を大切にしなければいけません。
このように製作における重要な項目をわかりやすく学ぶことができました。保険適応になって日が浅いこともあり、まだまだ患者様には認知されておらず、歯科医師側もこれまで日常的に携わることの少ない分野であっただけに、必要な技術の習得を行いつつ、患者様への治療オプションとしての積極的な提案ができればと考えています。

②研修名:歯科医院で行う訪問栄養食事指導
  講師  :稲山未来 先生(管理栄養士)

脳卒中の後遺症や高齢化に伴う口腔機能の低下により、摂食嚥下機能の低下をきたす患者様は少なくありません。明らかな症状を抱えて治療の異例に至るケースもさることながら、機能低下をあまり自覚・他覚されないまま放置されている潜在的な患者様も少なくないと感じています。高齢化の進む日本社会では、歯の治療や予防だけが歯科医師の仕事ではありません。医師、管理栄養士をはじめとする介護に携わる全ての職種の方と連携を図り、摂食・嚥下障害を抱える患者様への口腔リハビリや栄養指導を適切に行い、ご家族と連携して改善を目指すことも大切な役割です。当院は訪問診療に力を入れていることもあり、このような患者様に遭遇する機会は少なくありません。しかしながら、リハビリや訓練に取り組んで改善を目指すことよりも食事のレベルを下げたり経口摂取から経管栄養に切り替えることの安全性を取るという意識と多職種で連携して改善に取り組むということが常態化していないこともあり、ニーズが多いという実感はありません。しかし、現代社会において今後、必要不可欠となってくることは確実であろうと感じていました。
今回の勉強会では、管理栄養士という職種を理解し、医師指導のもとで行われる栄養指導において、歯科医師はどのような角度でコンタクトを持って介入していけるものなのか、ということを学びました。
今回の講師は「歯科管理栄養士」という経歴をもっておられました。正直、初耳でした。
歯がないから食べられない、それは当然なのですが、ただ歯を補えば食べられるようになるとも限らない。「摂食嚥下」というプロセスにおいて、摂食の部分だけに介入するのではなく、嚥下における口唇・舌・下顎の動かし方、さらには食事時の周囲の環境や姿勢にも着目することが必要であるということでした。実際の症例を用いた解説では、胃ろうによる経管栄養から完全経口摂取へと回復を果たしたケースが紹介されており、回復の可能性の大きさとともに、周囲の人間がいかに前向きにサポートすることができるかが鍵になるのだなと感じました。

4月勉強会 (4月11日)

昨年に引き続き 今年度初めての勉強会は 毎年開催しております 、1年間をより実りあるものにするための決起集会でもある当法人の行事「キックオフ」が 4月6日に一部のスタッフ(幹部役員各医院院長 主任のみ)により行われ その録画を視聴するということになりました。

大塚歯科医院 副院長 林 裕之先生より

新型コロナ感染症が確認されてすでに3年以上が経ちました。「コロナ禍」がこれほど長く私たちの日常を圧迫し続けると予想できた人がどれほどいたことでしょうか。見えそうで見えない出口が1日でも早く訪れることを願うばかりです。
さて、新年度を迎え、優心会では恒例のキックオフを4/6に執り行いました。本来ならば、香川・岡山のスタッフが一堂に会して、新たな一年を力を合わせて頑張っていこうと話し合える場なのですが、本年度もやはりリモートにて人員を限定して開催しました。今月の勉強会の時間においては、その時の模様を全職員で視聴し、優心会としてコロナ禍の中、どのような目標を持って事業を進め、地域社会へ貢献していけるのか、ということを考え、意識の共有を行いました。
新年度を迎えると、保険制度の改定が行われます。若年者のむし歯罹患率の低下と高齢化の進む現代社会においては、先進の治療ももちろん大切なのですが、何よりも「予防」が大切と考えられています。本年度から、歯科におけるメンテナンスに関して、制度の改定が大きく行われました。より多くの人が自身の口腔に関心を持ち、「いつまでも自分の歯で美味しく食事が取れて元気に過ごせること」を目指すものだと私は解釈しています。来院された皆様には、是非ともその大切さを共感してもらえるような診療を心がけていきたいと思います。

2月勉強会 (2月7日)

WEB研修

研修名 :歯内療法学会ガイドライン 解説
一般財団法人 日本歯内療法学会編

本日の勉強会のテーマは歯内療法学についてでした。
近年、どれだけ残存歯を多く残すことができるかということの重要性が再度見直されつつあり、そのためには歯髄、いわゆる神経を残すことが非常に重要であるということが明らかにされています。この傾向を受けて歯髄保護に重きをおきつつも、依然として歯髄を取り除く抜髄治療、その後の感染した根管内を無菌化する感染根管治療、両者ともに診療回数が減少しているとは言えない状況です。
歯内療法の目的とは、根尖性歯周炎の予防と治療です。そして、この予防には無菌的な根管内環境を確立するということが必須条件です。そのために、主に機械的拡大・化学的洗浄・根管内貼薬の3手法が用いられています。とはいえ、口腔内は一般的に唾液により潤っておりますので、唾液中に含まれる多量の細菌により根管治療中は常に細菌感染リスクに曝露されています。昨今では、このリスク低減・回避を目的として、ラバーダム使用下での処置が強く推奨されています。
歯内療法に用いられる薬剤、ファイルやマイクロスコープなどの器具・器材の改良は近年めざましく、治療を格段に優位に行える環境が整ってきているといえるでしょう。しかしながら、歯内療法における成功、確固たる治療手順といったものは未だ明確には確立されておらず、各々主治医の経験や判断に委ねられているのが現状です。これらの状況を踏まえて、以下の3つの観点から議題が設けられ、エビデンスを伴った研究にて結果を照合するという検証が行われていました。
1.治療回数による有効性について
2.処置後の鎮痛薬処方の可否について
3.処置後の抗菌薬投与の可否について でした。

いずれも、エビデンスの確実性が低く、推奨の程度も低いといった結果になっていました。確かに、日々の臨床においても手法は様々で、確固たる通法というものがないと感じており、経験則に頼ってしまう側面があるということは認めざるを得ないのだと思いました。しかし、EBMに基づいた診断、治療の重要性を心にとどめて、EBMに基づいた診療を行えるように努めることは、根管治療に限らず、全ての領域において大切だと感じました。

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研修歯科医師 齋藤

1月勉強会 (1月17日)

WEB研修

研修名:欠損補綴におけるパーシャルデンチャーの優位性と治療戦略
オーバーデンチャー編
 講 師:相宮 英俊 先生

今回は欠損補綴に対するオーバーデンチャーについて学びました。オーバーデンチャーというと、個人的には「残根の上にただ義歯を入れて覆い噛めるようにするもの」という漠然なイメージしかありませんでした。

しかし、そんな安易なものではなく、作製にあたっては何より、残存する根や顎堤の形状にあわせて、義歯の着脱方向とアンダーカットをよく考えなければならないものであることを知らされました。残存歯のない顎堤とは異なり、残根を有する顎堤の場合、上顎前歯部では、一般的な歯軸方向の傾斜の影響で、歯槽部顎堤頂から頬粘膜移行部にアンダーカットが生じます。したがって、このアンダーカットへの対応が重要になります。一般的に外科的侵襲は行わず、
・義歯床の床縁を最大豊隆部に設定する
・天然歯と顎堤の形を整えアンダーカットをなくす
・残根を抜歯し、顎骨の吸収を待つ
といったアプローチがとられることも学べました。

また、すれ違い咬合などで咬合平面の崩れてしまった患者様に対して、オーバーデンチャーとすることで平坦な咬合平面を付与することが可能となった症例、顎堤の高度吸収をきたした症例に対してオーバーデンチャーにより意地を獲得するという症例、などは自分が今まで見たことのない症例であっただけに、大変興味深いものでした。

最近は、磁性アタッチメント義歯が保険収載されましたので、「オーバーデンチャーでは、残根には根面コーピング」するしかないという考え方も変わることになりそうです。従来、磁性アタッチメントの装着は保険適用外の治療ということもあり、積極的に行われるものというわけではありませんでした。高齢化の進む現代社会で、義歯に対するニーズはより深まることは必至なだけに、オーバーデンチャーという可能性にもっと研鑽を深めていく必要を感じました。

研修歯科医師 舩橋

12月勉強会 (12月6日)

こんにちは、研修医の西堀です。早いもので今年も残りあとわずかとなり、新年を迎える頃になってきました。この一年は研修医となって、生活が一変し特にあっという間に過ぎたと感じています。 12月は年に2回実施する避難訓練の為 通常より短い時間の勉強会となり、歯科に関する研修は一つだけとなりました。

WEB研修

研修名:エンドペリオ病変を攻略する!
 講  師:大月基弘先生  高井駿佑先生  齋藤伸和先生

今月の勉強会は「歯内歯周病変」についてでした。言葉通り歯内病変と歯周病変が同時に発生している状態ですが、その発生原因を正確に鑑別できないと治療成績も当然伴わなくなってしまいます。

①歯内由来の排膿路が歯周ポケットと交通している病変
②歯周病由来の歯周ポケットが根尖に達してしまったが、歯髄は生きている病変
③始めに歯内病変が歯周ポケットと交通し、生じた深いポケットに歯石が沈着し、歯周病を併発している病変
④歯内病変と歯周病変がそれぞれ独立して発生し、両疾患が交通する病変
⑤はじめに歯周病変が根尖付近まで進行し、側枝や根尖から歯髄へ細菌感染を引き起こしている病変と大きく分けてこのようなタイプがあります。

特に③④⑤は、歯内病変と歯周病変が両方交通している状態であり、この場合、治療期間が長期になり中断してしまうと患歯の保存が難しくなります。したがって、治療期間が長期化することを予め伝え、患者様自身のモチベーションを維持することや本人の協力も必要となってくることというが分かりました。まず、歯内病変の関与の有無を調べ、この結果によって治療のアプローチが異なってきます。そして、発生した病変の経緯・原因を理解することで、むやみに健常な組織を傷つけてしまうことを避けることが可能となります。特に、歯内療法終了後3か月は歯肉縁下の処置は避けることが患歯の予後をより良くするために非常に重要ということも分かりました。垂直的歯根破折やパーフォレーションなどとの鑑別診断も重要となってくるため、肉眼から得られる情報、読影により得られる情報、検査により得られる情報、これらを総合的に判断し、根管の見落としを無くすことやラバーダム防湿による無菌的治療を心がけることが、患者様の歯の保存につながることをあらためて実感できました。

11月勉強会 (11月8日)

WEB研修

研修名:根管充填用シーラーのパラダイムシフト
 講 師 :梅田 貴

今回の勉強会では根管充填に用いるシーラーについて学びました。根管充填には大きく分けて二つの目的があります。微生物の出入口となるような経路を遮断する「封鎖」根管内から除去できなかった刺激物を封印する「埋葬」です。今回は根管充填剤による「封鎖」に焦点をおいて学びました。

根管充填剤の最新トレンドとして、モノブロック化という、樹脂含浸層を形成させる根管充填剤が脚光を浴びています。根管充填では、ガッタパーチャーをコアにシーラーを塗布して緊密な充填を行うという手法が主流です。しかし、従来の酸化亜鉛ユージノール系シーラーでは樹脂含浸層は形成されません。今回の勉強会では「バイオセラミックス系シーラー」というものを初めて知りました。このシーラーはとても粒子が細かく象牙細管への浸入が可能ですので、シーラーが象牙細管にまで到達し、従来のシーラーよりも歯根と一体化した根管充填が可能となるのです。歯冠修復・補綴の分野において、象牙質と近い弾性係数を有するファイバーポストを使うことで、より歯根破折を防止するという「モノリシック」に似ていると思いました。他にもバイオセラミックス系シーラーには硬化の際に水酸化物イオンを放出し細菌細胞膜の損傷、タンパク質変性による細胞代謝異常やDNA複製阻害を期待できることも知りました。

この他に、Ni-Tiファイルを用いた根管形成でも、およそ35-60%の未処置領域が生じるというデータには驚きました。確かにNI-Tiファイルは根管追従性がよく湾曲根管などに非常に有効的であることは知られています。しかし、根管の断面の形状は人が作りだした既製品のようにきれいな円形ではなく、卵円形などの物も多数あり、このような場合、たとえNI-Tiファイルといえど十分な根管形成はできず、万能な器具はないがゆえに、いかに細菌感染を防止したり為害作用のある物質を封入したりできるかが、治療後の成績に深く関与してくるかということを感じさせられる、とてもいい勉強になりました。

10月勉強会 (10月4日)

WEB研修

①あなたの勇気が命を救う 感染症予防に対応した心肺蘇生法
 講 師:磐田市消防本部

コロナウイルスが流行している現在に即して、心肺停止の傷病者が感染症に感染している場合を想定しての対応方法を学びました。心肺停止の傷病者に遭遇した際、医療従事者としてAEDを用いた一次救命処置は滞りなく行えるよう、以前から何度か講習を受けたことはありました。ですが、実際に心肺停止の傷病者を目の前にすると、普段通りのパフォーマンスを保つことは難しいです。ましてや、従来通りのやり方だと感染予防の観点については触れられていないので、実践でいきなり行うのは到底難しいと思われます。感染予防の観点から気を付けるべきことを学び、事前にイメージすることが出来て、非常に有意義な機会になりました。

②磁性アタッチメント義歯について
 (株)モリタ セールスプロモーション部 太田垣 隆氏

「磁性アタッチメント」とは、通常、歯根に装着する金属製の根面板の上面にキーパーと呼ばれる装置を取り付け、義歯内面にはこれと相対する位置に磁石を埋め込み、磁力によって義歯の動きを固定・維持するという仕組みのです。この磁性アタッチメントの使用が、今年9月から保険適用となりました。
磁性アタッチメントの利点は様々ですが、特に患者さんにとって実感しやすいのは、義歯の着脱方向に指向性がなく着脱が容易となる点です。顎堤の状態や残存歯の植立方向などに従来の義歯は大きく影響を受けてきましたが、磁性アタッチメントは着脱方向を自由に設計できるため、患者さんは煩わしい義歯の着脱に気をつかわなくて済むようになります。また、場合によっては目立つといって敬遠されがちな残存歯にかかる金具を使用しない形状の義歯にすることも可能となります。保険適応になってまだ間もないため、従来は自費診療でのみの取り扱いだっただけに症例が少なかったり、材料が手に入りにくかったりなどの問題はありますが、うまく治療に取り入れることで義歯がより扱いやすいものだという認識を患者様にもってもらえるようになることが期待されます。

③歯科治療における緊急処置

 東京歯科大学 歯科麻酔学講座  教授 一戸達也先生
講師 松浦信幸先生

歯科治療中に緊急処置が必要となるケースとして、低血糖発作、アナフィラキシーショック、過換気発作、誤飲・誤嚥など様々なものがあげられます。中でも、誤飲・誤嚥については日頃から気を付けなければならないと実感する機会が多々あります。歯科治療は基本的に、
・口腔内で歯牙レベルの小さな器具・材料を操作して細かな作業を要する
・口腔内が唾液によって非常に滑りやすいという環境的な因子が存在する
ということで、誤飲・誤嚥のリスクが高まります。誤飲・誤嚥が起きてしまった場合、事態を悪化させる原因は事前の注意喚起の声掛けがないことや、対処法を患者さんに十分に伝えられていないことにあるのかもしれません。もちろん、アクシデントが起こさないことが最も重要ではありますが、やむを得ず起きてしまったアクシデントへの対応については日頃から意識を向けて、慢心することなく患者さんへの説明を十分に行ったうえで気を付けて日々の診療にあたっていこうと思います。

研修歯科医師 齊藤

9月勉強会 (9月6日)

WEB研修

①歯根破折を防ぐために ~リスクとその解決策~  
 講 師:柳沢哲秀先生

今回は歯科医師にとって治療する上で非常に注意すべき歯根破折について学ぶ機会を得られました。本来、患者様の症状を治癒に向かうものが、破折によって台無しとなっては元も子もありません。根管形成時のひずみ、根管充填時の側方加圧の力加減に注意して、優しい根管治療を心掛けること。イスムスやフィンといった根管形態によっては局所的に強い咬合力がかかってしまうことがあるため、咬合力を分散できるように形成時の歯質形態や厚さに気を付けることが大切だということも改めて理解できました。
また、最終的な補綴物も適合度の良いものでないと意味がないのは当然ですから、圧排糸の使用や異物除去などに注意し、形成〜印象採得までをいかに丁寧にしていくことができるか。
歯にとって「破折」は致命傷であるが故に、これを防ぐということの難しさと大切さを再確認できました。

②メインテナンスの種類と方法  
 講 師:川名部大先生

一言でメインテナンスと言っても、罹患した歯周病の進行状態やメインテナンス段階へ辿り着くまでの治療に対する患者様の希望などによって、介入の仕方も様々になってきます。予防的・治療的・試行的・妥協的といったニュアンスの色々な形態のメインテナンスが考えられます。よりよい口腔内の状態をより長く維持するために、メインテナンスというものがいかに大切かを学べました。歯科医院への通院に対しては、やはり良いイメージを持てない方が多いと言うのが実情です。患者様にメインテナンスの必要性・大切さを理解していただき、無理なく継続して受けていただけるような関係性を構築するためには、やはり歯科衛生士を患者様ごとに担当制にすることのメリットをたくさん学びました。
患者様の中には持病の問題や高齢化を理由に、これまでは通院できていた方が叶わなくなると言うケースもしばしばございます。今は歯科訪問診療などで対応することも十分に可能ですし、何より「健口」にとって重要なことです。患者様の変化にもきちんと目を向け、口腔内だけでなく全身的な健康のためにも、メインテナンスは歯の喪失を防ぐ要なのだと感じました。

研修歯科医師 西堀

8月勉強会 (8月2日)

8月より臨床研修させていただいています舩橋です。8/2 入社初日でわからないことだらけの中、毎月実施されている院内一斉勉強会に出席しました。各部署に分かれて各自が日々の業務に必要な新たな知識や技能の習得に向けて熱心に取り組んでいました。日頃の臨床に生かせていけるように私も頑張っていきたいと思います。

①Web研修

研修名:日常臨床にもっと歯周治療を取り入れよう! - 歯肉剥離掻把術は誰にでもできる
講 師:木村 英隆

臨床症例を用いた歯周病の治療方針について学びました。歯周病の治療には進行を遅らす治療と歯周病で失った組織を再生する治療があります。今までは進行を遅らす治療がメインでしたが、今回の勉強会では再生療法がいかに歯周病治療において画期的であるかという事を実際の症例を用いて教わりました。自分も実際の症例を見るまでは再生療法というのはあまりメインで行うようなものではないのかと思っていましたが、今回の勉強会で再生療法というのは歯周病の治療方針の選択肢として大変有効であり、骨の再生が実際に起こり歯周病による組織のダメージを完全とはいかないまでも多少改善できるものなんだと考えさせられました。またスケーリングの有効性を示す論文からは3㎜以内のポケットの歯石の除去率は90%以上であるが、4㎜以上のポケットの歯石除去率は一気に下がることが示されており、この見解からもポケットの深さの減少は日々のSPTにおいて非常に重要なのだと思いました。どうしても痛い治療を患者様は敬遠しがちですが、自分の歯を少しでも長く持たせ、美味しくしっかりと食事が取れる口腔機能を維持するには、こうした治療の重要性を私たちがいかに正しくお伝えできて、実施できるかにかかっているのかということを認識できました。

②Web研修

研修名:診断 〜正しい治療を行うために〜
講 師:北條 弘明

歯内療法を行う上で、正しく診断を行うことが重要とのことでした。歯内療法の診断における重点項目として、4つの検査で鑑別して正しく診断して治療していく事をテーマに、実際の臨床症例を取り上げての講義でした。患者様の訴えが仮に歯の痛みだったとしても、適切かつ必要十分な検査を行って、原因をしっかり鑑別することで、時にはその訴えが歯に起因するものではなく、顎関節周囲の筋肉の炎症に起因するといった症例があげられていました。どのように鑑別し、診断したかということに重点をおき、行うべき検査とそれに基づく正しい診断が、不要な歯内療法によるトラブルを回避することができますし、歯内療法で重要であることを知りました。また、X線上では外部吸収のように見えるが、実際の診断はインターナルブリーチに用いた過酸化水素による内部吸収であったり、アクチノマイセス属の感染によりX線状では玉ねぎ状の所見が根尖部に見えるという臨床での面白い症例も学ぶことができました。明日からの臨床に生かせる要素の多い充実した講義でした。

7月勉強会 (7月5日)

こんにちは。研修医の西堀です。蒸し暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?  先日は7月の勉強会に参加し、歯科医学が日々発展していっていることを実感する内容でした。

① DVD研修
研修名:「オムニクロマ パーフェクトマスター」 リレーセミナー第二弾!
 【オムニクロマ/オムニクロマフローを理解し臨床に活用する】
 講 師:保坂 啓一 先生

歯科医院でのむし歯治療で、白い詰め物をされた経験のある方も多いかと思います。 人の歯は、個人によっても、また歯1本ごとに微妙に違っており、その色を合わせることが非常に困難な場合もしばしばあります。「カメレオン現象」という効果をご存知でしょうか? この要領で、構造色により天然歯の色調を再現できる「オムニクロマフロー」という新しいコンポジットレジンがあることを知りました。たった1本で16タイプのシェードにまで対応できるという幅広い色調への適合性を持っています。色合わせが難しいケースでは、歯本来の色調に適合してくれるため、既存の色調から選択するよりも、非常に自然な結果が得られることが期待できます。実に便利なものができたと思いました。

② DVD研修
研修名:本当にファイバーポストっていいんですか?
―究極の支台築造を目指してー
講 師:田ヶ原 昭弘 先生

現在、いわゆる支台築造においては、 従来からある既成金属ポストやメタルポストを使ったものから、ファイバーポストやチタンポストといった素材を用いたものまで、実に多種多様になってきました。それゆえに、「どれが一番優れているのだろうか?」という疑問が生じることは無理もありません。しかし、現実は、「どれがすぐれているか」ではなく、 それぞれの治療対象歯の状態や口腔内の状態などを考慮し、ケースごとで、どれを扱うか、そしてこれと併用する接着材によってもその強度に影響してくるということを十分に理解し、これらを扱う私たち歯科医師にとって 最良の選択をできるかということが如何に大切なのかと言う事を学びました。中でも金属ポストの周囲をレジンで覆うなんて手法もあるとは驚きでした。まだまだ、技能経験の浅い私たち研修医でも、知識を深めることで、患者様にとって有益な治療法の提案ができる能力につながることを認識することができました。

研修歯科医師 西堀友啓

6月勉強会 (6月7日)

今回は 勉強会の前に防災訓練があったため 通常より 勉強会の時間が20分程短く、11時50分から始まり、院内で実施すべき感染予防策についての院内研修と感染根管治療についてのWEB動画で研修しました。

① 院内の感染対策について
 大塚歯科医院では感染予防策として、常日頃からマスクはもちろん、フェイスシールドや使い捨て袖付きビニールエプロンなどのPPE(個人用防護具)を用いています。また、歯を削る際に用いるハンドピースについても患者様ごとに滅菌処理をしています。器材の滅菌処理もさることながら、簡単そうなことだが 非常に気を遣わなくてはいけないのが、汚れた手で周囲の物を触っていないのかということ。この点が問題として挙がっていました。日常、何気なくしている行動が 場合によっては周囲への感染を広めてしまう恐れがあるということを再認識しました。感染という目に見えないものをいかに正確に把握できるかということの大切さ、また多分大丈夫だろうという考えをしない様に心がけないといけないという事も改めて感じました。
全国的に新型コロナウイルスのワクチン接種が進んではいるものの、終息するにはまだまだ時間を要するだろうと予想されます。何より、私たちの現場は常に細菌やウイルスと隣り合わせですので、感染予防に対して、今まで以上に気を引き締めて取り組んでいこうと思います。

② WEB動画による研修
演題:歯内療法専門医から見た患者満足
講師:渡邉征男先生

感染根管治療は、保険診療でもごく一般的に行われることが非常に多い分野です。歯根の内部の治療ですので、肉眼で確認することは当然できませんが、レントゲン写真や歯の長さを電気的に測定する装置などを用いて、歯根の内部の感染を除去し歯の保存を目指します。治療の成功率は比較的高いとされていますが、歯の構造が複雑であったり、診断・治療計画を誤ったりしてしまうと、その予後は容易に悪化し、最悪、抜歯するしかなくなってしまうこともあります。そのため、経験に左右される部分も大きいと言えます。従って、必要な診査を十分に行い、正しい診断を下し、その元に自分の技量と照らし合わせ治療に臨むべきで、必要に応じては歯内療法を専門として行う専門医の存在を患者様に提案し、希望に応じては紹介することも患者様の利益のためには重要になるのだということが学べました。

研修歯科医師 齊藤

5月勉強会 (5月10日)

研修名:電動歯ブラシ ソニッケアーについて
講 師:長上 賀代子 先生(株式会社モリタ)

コロナ禍ということで、外部講師に直接来院していただくことは難しいと考え、
一部、 リモートで実施されました

まだまだ一般的には歯ブラシを使用されている方が多いと思いますが、電動歯ブラシも目まぐるしく進歩しており、様々な機能を持つものが多くなってきています。特に、高齢者においては、筋力の低下などを理由に上肢がうまく使えないといったことも出てきます。そのよう場面においては、電動歯ブラシを活用するというのも一助になると思います。ただし、「電動歯ブラシだからよく汚れが落ちる」というのは誤った解釈で、自分の歯並びや歯茎の状態を正しく認識し、どこにどのようにブラシを当てれば良いか、ということが歯磨きにおいては最も重要です。今の電動歯ブラシは、普通に歯の表面を磨く以外にも、狭い歯間の汚れにアプローチできるツールやアプリと連動させて子供さんが楽しく歯磨きに臨めるようなものまで、多種にわたります。非常に効果的なツールですので、来院される患者様にもぜひ、認識を持っていただけるよう、私たちがご説明できるようにしなくてはいけないと感じました。

②DVD研修
 研修名:高齢期の口腔機能低下へのアプローチ ~オーラルフレイルの視点から~
 講 師:平野 浩彦

超高齢社会の日本においては、平均寿命と健康寿命との差をいかに縮めることができるかが課題とされています。その中で「フレイル:加齢により心身が老い衰えた状態」という言葉が注目されるようになりました。加齢によって起こる口腔機能の脆弱化、口腔衛生状態の不良、摂食機能低下などにより引き起こされる心身の機能低下までの一連の現象及び過程をオーラルフレイルと言い、これを予防することがフレイルの防止につながることが示されています。
様々な医療分野の方々との連携で、食べる機能の障害へ効果的なサポートが可能になり、嚥下関連筋の体操、舌・口唇・顎の可動性訓練、口腔周囲筋のストレッチ、発語訓練などの適切なリハビリテーションがなされるようになります。
 歯科医師として、見た目をよくするといった精神的な問題改善から、安全にしっかりと食事が取れるといった肉体的な問題改善まで、オーラルフレイルには様々ないものが含まれることを十分に認識し、どのように予防・改善につなげていけるか、口腔を通して全身の健康状態まで意識し、考慮することが必要になっているということがよく理解できました。

研修医 西堀

4月勉強会 (4月5日)

今年もコロナ感染予防の為、1年に一度開催している行事「キックオフ」が中止となり、とりあえず今年も主任以上のスタッフのリモート参加という形で行われました。
そしてそのキックオフを録画したものを 第一月曜日は 通常、勉強会ですが、4月の一斉勉強会の時間に見ることになりました。

今回、始めての勉強会に出席した研修歯科医師からの感想です。

『初めまして、4月から大塚歯科医院で研修しております歯科医師です。先日、初めてのキックオフに参加しました。丸亀本院を中心に分院と遠隔通信で情報を共有して、お互いの近況を報告し合うことで連携を図り、より良い医療を地域に届けようとする姿勢を目の当たりにしました。このような一つ一つの積み重ねが今の歯科医院をつくっているのだと実感させられました。まだまだ研修が始まって不慣れなことばかりですが、周りの方々にご指導を仰ぎ、積極的に取り組むことで一つ一つ着実に学んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。』

研修歯科医師 齋藤・西堀

3月勉強会 (3月1日)
<DVD研修>

① 『新時代のカリオロジー う蝕 と う窩』
  伊藤直人先生

一般に「むし歯」というと、すぐに治さないといけない!と考えられがちかと思います。
う蝕=う窩 というふうに漠然とイメージしていましたが、今回の講義を聞いて「う蝕」と「う窩」の違いや関係性について改めて考えさせられました。4種類の型に分類するという考えは大変分かりやすく今後の臨床における参考となりました。

② 『再根管治療〜ファイル除去〜』
  ほうじょう歯科医院 院長 北篠弘明先生

一般的な歯科診療で行う頻度が非常に多いものの一つとして、根管治療があります。従来は手用ファイルを用いて行うものでしたが、現在では Ni-Tiファイルなど、機械的にこれを行うことが可能になり、根管内でのファイル破折という事象は多少なりとも減少傾向にあるのかもしれませんが、まだまだこうした歯に遭遇することは、決して多くはないかもしれませんがあるだろうと思います。絶対的にファイルの除去を要する場合もありますが、中には問題なく経過していくこともあります。ファイルの除去が必要となった際に、闇雲に手をつけると、様々な偶発症に遭遇し、最悪、その歯を保存することができなくなってしまいます。今回の講義のポイントとして、破折したファイルの性状や位置、また歯の形態など、いくつかのポイントに気をつけて、適切な判断を行なった上でアプローチすることで、安全に除去しやすくなるのだとわかりました。難易度ごとの分かりやすい説明だったため、ぜひ今後の治療に生かしていきたいと思います。

研修医 中谷

2月勉強会 (2月1日)
<DVD研修>

『歯周病新分類を用いた症例報告と解説』
川名部歯科医院 院長 川名部大先生

「30歳以上の3人に2人は歯周病」とされる現代人の国民病である歯周病。その病態を正確に把握する上で、私たちは従前より当たり前のようにPD値(Probing depth)や動揺度、出血などを頼りに診断し治療にあたってきました。しかし、仮にPD値が3mm以内であっても歯肉退縮が大きく、動揺もあるような場合はどうでしょう。数値的に歯周病を診断すると場合によっては軽度なものと誤認されてしまうかもしれません。そこで、新たな歯周病の分類が策定されました。まだ、保険診療においても浸透してはいないものではありますが、今後、必ず必要になってくるものではないかというのが実感です。新たな診断基準として日々の臨床にこの新分類を是非取り入れて考えていくようにしたいと思います。歯周病の病態を正しく把握し診断することで、患者様にもより正しく理解してもらい、これと積極的に向き合い治療・予防にあたっていくことが、歯周病による歯の喪失を少しでもなくしていく最善策だと思いました。

『摂食嚥下リハビリテーション-咀嚼嚥下と食機能-』
藤田医科大学医学部歯科口腔外科学講座
松尾浩一郎先生

近年、高齢者の死因の中で「肺炎」が第4位に位置しています。また、交通事故や転落といったいわゆる「不慮の事故」による死因について、高齢者においてはその半数以上が窒息という報告があります。今や交通事故よりも多いのです。とても少ないとは言えないのが現状です。これら二つの死因に関係してくる要因として「誤嚥」が挙げられます。食事を正しく摂食・嚥下するためには、舌の動き・食品の物性・重力の影響といった要素は無視できなません。個人にょって、機能の低下については特徴がありますので、低下を予防しることはもちろん、低下した部分を訓練であったり、工夫によって補ったりすることが必要です。咀嚼指導においては、口唇・舌・下顎の動かし方だけでなく食事時の周囲の環境や姿勢もポイントとなってきます。液体は重力の影響で固体より先に下咽頭へと送られてしまうことで、誤嚥の危険性が高まりますから、食形態の調整として、とろみをつけることにより食塊形成を容易にしてこれを防止できます。高齢者への外来診療・訪問診療において、歯や義歯だけではなく、口腔の機能というものにより目を向けて、一口腔単位での治療・予防管理を心がけ、今後役立てていきたいと思います。

研修医 中谷

1月勉強会 (1月18日)
<①DVD研修>

演題:根分岐部病変の再生療法 〜歯根分割や抜歯を考える前に
講師:谷口 崇拓(谷口歯科医院 院長)

歯周病において、管理が難しいとされるものの一つに根分岐部病変が挙げられます。
これまで、根分岐部病変の進行が重度なものについては、歯根分割または抜歯→Brやインプラントへの移行という流れが多かったと思います。しかし、近年、歯周組織再生療法も飛躍的な向上が見られ、仮に十分な治療実績が得られる結果とまでは行かなくとも、これを取り入れることが、その歯の延命、引いてはその歯の喪失後の補綴治療への移行時のモチベーションにつながることが期待できる選択肢として活用していくことを提案するという内容のものでした。
根分岐部病変は、アクセスの難しさや解剖学的構造の特異性から、そのコントロールは非常に難しいものです。歯周組織再生療法を成功させるためには、病変がどのように進行しているかをより正確に捉え、診断すること。また、再生療法実施時のフラップデザインに始まり、適切かつ十分な歯周処置、複数の再生療法・薬剤を組み合わせて行うことが、より良い結果につながるという解説がありました。
歯周病から歯を守ること、それは我々、歯科医師や歯科衛生士の力だけでは実現できないものであり、最後は患者様ご自身がいかに、自身の歯を大切にしたいと思えるか、そのためにできるだけのことをしようと思っていただけるか、これが肝要です。
「健口長寿」が謳われる今、私たちは患者様に対して、「歯を守ることがいかに大切か、歯を失うことがいかに粗末か」ということを伝え、これを体現できる医療を提供していかねばならないという使命感を改めて感じました。


<②DVD研修>

演題:根管洗浄の存在意義
講師:古畑 和人(古畑歯科医院 院長)

私たち歯科医師が経験することの多い処置の一つである根管治療。後に続く補綴治療がいかに質の高いものを提供できたとしても、根管治療の実績が不十分ですと、病変の再発により、せっかくの補綴物も再撤去を余儀なくされてしまうため、歯科医師として大変、重要度の高いものです。その根管治療が難しいとされる理由の一つとして、他の治療と異なる特徴、それが盲目的に処置を進めざるを得ないところがある、ということだと思います。
根管の中を隅々まで直接見ることは不可能で、また、根管の形態は非常に複雑かつ様々であることが、その治療実績に大きく影響すると言えます。
根管治療では、感染のコントロールが全てと言っても過言ではないと思います。いかに感染を取り除き、再感染を防ぐことができるか。そこで大切となるのが「根管洗浄」です。根管治療中は、根管内に細菌や組織片、切削片が混在します。これら全てが炎症の起因物質となり得ます。したがって、根管洗浄を行い、これら全てを根管から排除させる必要があります。これは大変重要かつ繊細な処置です。そして、その方法も様々です。使用する薬剤や、根管内への加圧方法など、多岐にわたります。私が学生時分に座学で学んだ内容と比すると、随分と変化しています。最新の知識や技術を貪欲に学び取り入れて、これからも患者様の歯を守ることにつなげていけるようにしたいと思います。

歯科医師 林 裕之

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