院内研修

大塚歯科医院では、最新の歯科治療を学ぶために院内研修を行い、
歯科医師・歯科衛生士など職域を超えて知識を共有し、医院全体のレベルアップを図っています。


3月勉強会 (3月6日)

<Web動画研修>
タイトル:睡眠時ブラキシズム最前線 −基礎から臨床までの完全解説−(後編)
講  師:馬場 一美 先生

前月に引き続き、睡眠時ブラキシズムについて、実際の症例を交えて、より臨床的な内容を学びました。 睡眠時ブラキシズムは、時に歯を一撃でダメにしてしまう、つまり歯根破折という状態に至らしめることもある恐ろしいものであるという話が前編ではありました。後編では、スプリント使用が絶対的に必要であるということに加えて、歯の修復・補綴における材料選択と全顎的な咬合力のコントロールが非常に重要となってくるという話がありました。

従来、大きく歯質を失った場合、金属による支台築造を経て、歯冠補綴がなされてきました。しかし、過度な力がかかった場合、歯根内部に差し込まれた金属の築造体は、歯質より硬いために折れることなく、歯根がこの力に負け、歯根破折をきたしてきました。現在は、歯質に近似するマテリアルを用いてこれを行うことで、可能な限りこうしたケースを回避することが可能となっています。

私自身、来院される患者様には天然歯ですら歯根破折をきたすこともあるというエピソードを織り交ぜて、睡眠時ブラキシズムの恐ろしさをご説明していますが、やはり不利益を経験したことのない患者様が相手となると、なかなか思うように警鐘を鳴らすことができていないと感じることもあります。それでも、様々な臨床症例を経験していきつつ、より多くの患者様に睡眠時ブラキシズムの危険性を理解してもらい、自身の歯を長く保てるように繋げていければと考えています。

咬合力のコントロールについては、適切に咬合付与を行い調整されたスプリントを装着することで可能となります。作製するスプリントは、ハードタイプかつ上顎への装着を強調されていました。どうしてもソフトタイプを使用せざるを得ない場合、嵌合部にのみ即時重合レジンを盛って咬合関係を付与し、ガイドの調節を行うことで装置を作製することは可能とのことでした。

また、歯が欠損し義歯を使用されている方においては、まず義歯装着時・義歯非装着時の残存歯の接触状態をしっかり確認しておくことが大切とのことでした。一般的に、口腔衛生の観点からも、夜間就寝時には義歯を外す、とされている方が多くいらっしゃいます。しかし、睡眠時ブラキシズムを呈する方においては、歯の欠損の仕方次第では、夜間の義歯装着がないことで、残存歯や欠損部の顎堤粘膜を傷めてしまうケースもあります。欠損のかたちによってアプローチの仕方は様々ですが、義歯+スプリント装着という場合や咬合挙上を付与した「夜間用義歯」を作製することを推奨されておられました。私自身、夜間用義歯というフレーズが初耳でしたので、少し理解を深めていってみたいと思いました。

「予防歯科」という考え方が次第に広まってきているように思われます。日々のブラッシングや定期的な歯科受診を継続することは歯を健康に保つ上では重要です。そして、健康寿命の延伸にも必ず寄与すると思います。そこに、睡眠時ブラキシズムというものが潜んでいないか、私たちがしっかり見抜き、対策を提案していけるようにする、ということを院内で徹底していければと思います。

歯科医師 林 裕之

2月勉強会 (2月6日)

<Web動画研修>
タイトル:睡眠時ブラキシズム最前線 −基礎から臨床までの完全解説−(前編)
講 師 :馬場 一美 先生

人は就寝中に歯を食いしばる、いわゆる「歯ぎしり」を起こすことがあります。専門的には「ブラキシズム」と呼びます。もちろん、寝ている間の出来事ですから、本人にはその自覚がほとんどありませんが、歯科受診をされると歯の形状や顎の関節を動かした際の動きや音からその有無は判断できます。

今回は「睡眠時ブラキシズム」に関する動画研修を行いました。
臨床において、睡眠時ブラキシズムによる症状を訴えて来院される方は非常に多くおられ、その年齢層も多岐にわたります。訴えとしては、歯が欠けた・歯がしみる・奥歯で噛み締めると痛みがある・口の開け閉めをするときに音が鳴る/痛みがある・起床時の顎や顔の筋肉にだるさがある、などと様々ですが、多くの方が睡眠時ブラキシズムから来るものという自覚を持っておられません。

睡眠時ブラキシズムの原因については未だにはっきりわかっておらず、ストレスや睡眠の質の低下など多因子によるものだと分析がなされています。

私達、歯科医師が患者様の口腔内を診察した際に、
 ・歯の異常な咬耗
 ・起床時の咀嚼筋の痛みや不快感、疲労感
 ・噛み締め時の咬筋の肥大
などの所見は特に睡眠時ブラキシズムを疑う大きなきっかけとなります。

人の歯がどんなに硬いものであっても、同じ硬さのもの同士を擦り合わせていれば、当然すり減ってしまいます。こうした歯のすり減り=咬耗について、睡眠時ブラキシズムが起こっていることによるものか否かの鑑別として、咬耗面の光沢の有無、側方位で上下対向歯咬耗面の一致・不一致を観察しておくことで信頼性が上がるという点は大変勉強になりました。また筋電図を記録することで、より正確な診断が行えるのですが、歯科医院にどこにでも設置しているものではないため、学んだ知識と経験の積み重ねをもって、診断をつけ、そのリスクと善後策を患者様にいかに説明し向き合っていただけるようにするかが大切です。しかしながら、患者様の多くは睡眠時ブラキシズムによる不利益を実感していないことが多いため、予防的に対策を講じることの重要性を伝えることが難しいと感じています。

睡眠時ブラキシズムにより生じる力は想像以上に大きく、これを軽んじると歯牙の破折や歯周病進行の増悪因子ともなり、顎口腔系の破壊につながります。こうした為害作用から顎口腔系を保護するための唯一と言える手段がスプリントです。ブラキシズムを抑制する方法はありませんので、事実上、ブラキシズムによる為害作用を抑えるには、力のコントロールが課題となり、スプリントは重要な役割を担っています。
・歯ぎしりや食いしばり時に歯列全体にかかる力を均等になるような咬合接触関係を構築する。
・歯牙同士の接触をなくすことで歯牙の形態的な損傷から保護すえる。
・顎関節を咬合位に収めさせないことで、顎関節腔内圧力を分散させ関節を保護する。
といったことを目的として、いわゆる両側性平衡咬合を目指します。このとき、スプリントを上顎に対して装着しなければ確立できないということも分かりました。

有髄かつ処置既往のない天然歯においても、歯根破折をきたし抜歯を余儀なくされるといった事例もあるという話を聞くと、改めて睡眠時ブラキシズムがもたらす為害作用の怖さを認識しました。知らぬ間に体で起きていることがこれほどまでの影響を及ぼす、そのことを患者様にどう伝えられるか、歯科医師としての責任は非常に重いものだと感じます。いかにむし歯を治し、歯周病予防のメンテナンスで通院を継続していても、睡眠時ブラキシズムのコントロールを疎かにすることで、容易に歯を失い、健康な口腔環境・口腔機能を失ってしまうということを肝に銘じ、患者様の将来を考えたインフォームドコンセントを心がけていかなくてはいけないと感じました。

歯科医師 川元

1月勉強会 (1月16日)

<Web動画研修>
タイトル:メンテナンスの方法と種類
講 師 :川名部 大 先生

人は45~75歳の30年間に、平均して約10本の歯を喪失するという統計があります。こうした歯の喪失を防ぐには、歯周組織を良好かつ長期間維持するための健康管理、つまりメンテナンスが大切です。メンテナンスについては、そこへ至るまでの歯周病に対する治療介入によって、段階的に分類ができます。健康意識の高い患者様、歯は健全だがカリエスリスクの高い患者様、に対する予防的メンテナンスです。特にオーバーブラッシングによる歯肉退縮などへの注意が必要になります。歯周外科を行って歯周組織の状態が改善した患者様に対する治療後メンテナンスの場合は、歯周病が再発しないように注意をすることが当然肝要です。これらの他に、歯周ポケットが4~5mmと不安定、病状進行の不安が残る患者様に対する試行的メンテナンス、歯周病進行ハイリスクを抱えてはいるが積極的介入を希望しない・できないような患者様に対する妥協的メンテナンスがあります。これらはメンテナンス間隔を1~3ヶ月と短く設定することで、病状の進行を極力回避することが目的です。メンテナンスに移行しなかった患者様の喪失歯数が平均3.12本なのに対して、メンテナンス移行した患者様の喪失歯数は平均1.08本という事実もあり、メンテナンスがいかに重要であるかが分かりました。
このようにメンテナンスの分類を患者様の口腔の状態や生活スタイル、考えを総合して判断しふるい分けすること、また患者様ごとに歯科衛生士を担当制にすることも、より患者様個々の特性に見合った親密なケアができる有効だと感じました。

<Web動画研修>
研修名:総義歯専門Dr.が語るベーシックテクニック(咬合採得)
講 師:松丸 悠一 先生

義歯の作製における咬合高径の決定に関しては、
・測定基準面を間違わないこと、60~64.9mmという平均値を把握しておくこと、を前提に患者様に力を抜いて閉口させ、口唇が接触したタイミングで測定する方法
・息を吹く時の口の動きとして、m音を発音させて下顎安静位を測定し決定する方法
などが紹介されました。咬合高径が低くなってしまった場合、赤唇部がうすくなる・口裂がへの字になる。逆に咬合高径が高くなってしまった場合、リップサポートやオトガイ・口角下部の周囲の筋肉が閉口直後は緊張してしまいます。こうした顔貌の状態を観察することも非常に重要です。患者様個々の適正な顎位をいかに正確に把握できるかが、より精度の高い義歯完成に直結し、患者様の「食べる」という機能の回復を果たせるのだということを改めて実感するとともに、その難しさを認識し我々歯科医師は精進しなければならないのだと思いました。

歯科医師 西堀

12月勉強会 (12月5日)

今年最後の一斉勉強会も、例年通り、最初の30分間、今年2回目の防災訓練が実施され、通常より短い時間の勉強会となりました。
専門家の見解では 香川県は「30年以内にM8.0〜9.0クラスの南海トラフ地震が70〜80%の確率で起こる」とのことですが、瀬戸内は津波が来ない。来ても問題ないレベルだろうと過信していたり、普段地震がそんなに起こっていないし、災害の少ない所だからと関係ないと思っていたりしている方が大半だと思います。しかし、今回改めて職員は避難経路 危険個所 避難場所 防災用品設置場所 連絡方法 などを再認識するいい機会になったと思います。そのため12月の勉強会は、「口腔がん」の動画研修だけとなりました。


<Web動画研修>
研修名:今こそ知りたい口腔がん
講 師:柴原 孝彦 先生

3年程前、ある有名人が舌がんであることを公表し、世間的にも大きく報道されたことがありました。その後、肌感覚ではありますが、来院される患者様の中には口内炎が生じたときに、口腔がんではないかと心配される声を耳にすることが増えたように感じます。今回の勉強会では、私たち歯科医師が遭遇しうる「口腔がん」について、学問的な部分・臨床的な部分を確認しました。
口腔がんはすべてのがんの中のおよそ1%前後と言われています。希少がんだという声もありますが、患者数は直近40年ほどで約5倍に増加しています。また増加率も平成に入っての近年の方がより大きくなっています。死亡者数も年々増加傾向にあります。口腔がんの発生箇所は、歯を除く口の中全てであり、最も多いのが舌です。口腔がんはある日突然、口の中に現れるということはありません。口の中の粘膜に白・赤・黒といった見た目で口内炎のようなものやただれ、膨らみといった病変がまず確認されます。この段階で、歯科を受診し、適切な診断のもと、経過観察をしておく・専門外来を受診する、といった対処がとられれば、知らぬ間にひどい状態になってしまうといったことも防ぐことが可能です。こうした病変の鑑別を、我々歯科医師が正しく行うために、様々な病変の実際の写真などを見て再確認いたしました。内臓のがんと違って、口の中は自分でも確かにチェックすることは可能ですが、セルフチェックでは確認しきれない箇所も少なからずあります。歯や歯周病の予防が健康長寿には不可欠と言われるようになってきている現代において、一人でも多くの方が予防の意識を高く持ち、定期検診やメンテナンスのため歯科受診されるようになることで、口腔がんの早期発見・治療が可能となります。
「歯医者には痛くなってからじゃないと行く気になれない。」そんな気持ちになるのもよくわかりますが、結局、治療期間が長くなってしまったり、治療に際して痛みが伴う機会が増えてしまったりと、いいことはありません。 患者様ができるだけ苦手な歯の治療を受けずにすむためにも 定期検診やメンテナンスの重要性を分かっていただける医院づくりに、取り組んでいかなければならないと痛感しました。

歯科医師 林 裕之

<防災訓練 Youtube動画研修>
タイトル:南海トラフ地震(最大クラス)に関するDVD【通常版】《香川県》
登録チャンネル:PrefKagawa 香川県インターネット放送局 『ちょっとみてみまい

11月勉強会 (11月7日)

<Web動画研修>
研修名:土屋 賢司先生症例100本ノック 第4回 PART5
講師:土屋 賢司 先生

今回は 若手歯科医師からの様々な症例に対して、土屋賢治先生のご経験をふまえた診査・診断の重要性やポイントについての詳説を視聴し、いかなる症例に対しても「一口腔一単位を基本とする」という考えと、いかに咬合のバランスが大事かということを再確認しました。
  咬合が崩れていくことによって、歯周病の増悪や咬合性外傷を発症していきます。犬歯誘導を目指されている多くの若手歯科医師の症例を見ていく中で、犬歯誘導の重要性は非常に勉強になりました。


<Web動画研修>
研修名:磁性アタッチメント を選択肢の一つに −症例選択とその臨床手順
講 師:笠間 慎太郎 先生

保険診療に導入された磁性アタッチメント義歯ですが、正直まだ経験症例が少なく、治療法として選択する上でどういう症例が適しているのか?また、どういった手順で作製していくのか?ということを再確認できました。
磁性アタッチメント義歯は、審美性をよくできたり、粘膜支持以上に加圧負担に耐えられる歯根膜支持を獲得できたりするということで、元々自費治療だったものが保険適用となり、患者様の治療の幅が広がったことはほんとに喜ばしいことです。
この磁性アタッチメント義歯は、支台歯をもとに磁石構造体・キーパー・根面板から構成されています。
特に支台歯に関しては注意が必要で、前歯に関しては根面板が非常に回転しやいので形成時には回転防止溝をつけることが忘れないようにすることの大切さがわかりました。そしてこの回転防止溝の形態も、多数歯に近似したアタッチメントを合着する際には、方向性の把握する上での目印にもできるということがわかりました。
いかなる症例でも本治療法が選択できるわけではなく、クリアランスの問題として、支台歯から咬合接触点までで最低7mm以上を確保できるかが重要になってきます。こうした最低限のクリアランスを確保しておかないとトラブルにつながってしまいます。また、MRIのアーチファアクトの問題もまだまだ問題があるようで、特に有病者に対しては、患っている疾患を把握した上で、本治療法のメリット・デメリットを理解しながら治療に繋げる必要性を感じました。

       

担当歯科医師 川元 潤一郎

10月勉強会 (10月3日)

<Web動画研修>
研修名:総義歯専門Dr.が語るベーシックテクニック
講師:松丸悠一先生

気温も幾分落ち着いてきて、涼しくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか、歯科医師の西堀友啓です。
昨今、少しずつではありますが 歯科に対しても予防の意識が芽生えはじめている傾向が感じられますが、高齢化社会の中では義歯による治療を必要とする患者様がまだまだ多いのです。今回の勉強会は、義歯の中でも特に難しいと感じる総義歯を製作する上でより良いものをつくるために、どこに気を付けて印象採得(型取り)をすればよいかを学ばせて頂きました。総義歯の作製において難しいと考える理由は、残存歯に維持を求めることができない=義歯単体で口腔内での安定性を確保しなければならない、という点です。
そのため、義歯をできるだけ過不足ない大きさで作製できるように、口腔内の解剖学的な構造を印象採得の際にいかに再現できるかが重要となります。神経や血管の位置を理解し、それを避けることができないと当然、圧迫による疼痛発現につながります。上顎なら、床後縁の設定の目安となる口蓋小窩、義歯を維持する上で欠かせない上顎結節の被覆、鼻口蓋神経・血管開口部で圧迫してはならない切歯乳頭、開閉口運動による形状の変化が安定に影響を与える翼突下顎ヒダといった構造、また口唇や頬の運動により上唇小帯や頬小帯が動き、床縁設定位置が決定すること。こうした細かい一つ一つのことが患者様の口腔内の様子や動きの再現性を高め、より精密な情報を得ることができ、これに基づいて質の良い義歯の作製につなげることが可能となることが分かりました。可動粘膜と非可動粘膜の境界、バッカルスペースの大きさと小帯の有無をチェックすることも大切です。
下顎では、咬合圧の負担域として重要な頬棚、床後縁設定位置かつ安定のために被覆を必要とするレトロモラーパッド、義歯の維持安定に重要な顎舌骨筋線のチェック、また顎堤が高度に吸収し平坦化しているような症例においては、歯槽頂がどこなのかということもしっかりチェックが必要です。
適合の悪い義歯・噛み合わせの悪い義歯を市販の義歯安定剤を併用するなどして長い間にわたって使用していた場合に、局所的な刺激によって顎堤粘膜が炎症性増殖を起こしフラビ―ガムが形成されます。スライム状の歯肉の塊といった表現がわかりやすいかもしれませんが、この組織は柔らかいものであるため、力のかかり方次第で倒れるか倒れないか、倒れるならその方向はどちらか?といったことで義歯の適合に非常に大きく影響します。
総義歯の印象採得には個人トレーを用いることが多いと思います。これを用いて筋圧形成辺縁形成を行いますが、その際に使うコンパウンドの軟化のコツは、中央に芯を残すくらいそしてゆっくりトレーに巻き付けた後、口腔内へ挿入して形成します。コンパウンドに丸みがあって動きがあれば、辺縁形成が十分で、シャープで動きがなければ量的に不足しているという評価が出来るということでした。こうして個人トレーを使って改めて精密印象を行うので、最初の印象採得は個人トレーを作るためのものであってアバウトで大丈夫、かというと決してそういうことではありません。 最初の印象採得で可能な限りの情報をとれていないと結果的に精度の低い個人トレーができてきますので、それを多少細工したのでは精密な印象採得の精度も落ちてしまいます。 総義歯にとって、維持力を損なわない外形がどういうものか注意して診査することの大切さ、支持力の確認、筋圧形成・辺縁形成をすることで質の高い印象を得られるということを再認識でき、非常に有意義な勉強会となりました。

       

担当歯科医師 西堀

9月勉強会 (9月5日)

<YouTube動画研修>
研修名:JLA ACADEMY 一次救命処置(BLS)デモンストレーション
~JRC蘇生ガイドライン2020準拠~
    JLA ACADEMY 乳児に対する一次救命処置(PBLS)
~JRC蘇生ガイドライン2020準拠~
出 典:JAPAN LIFESAVING ASSOCIATION

我々、歯科医療従事者も少なくとも年に一度は、心肺蘇生法やAEDの使用方法について講習を行っています。歯科治療を受ける方の多くは、受診に際して非常にストレスを感じていることが多いかと思います。そのような状況下ではごく稀に体の不調を訴える方もいらっしゃいます。また、近年の長寿化においては有病高齢者の歯科治療に臨むことも少なくありません。やはり健康な方と比べますと、体調が急変するリスクは高いと言えますので、これらの状況にいつ遭遇しても対応できるスキルを持っておく必要があります。
救命処置のガイドラインは定期的に見直しがなされていますから、我々も最新情報を常に学んでおく必要があると考えます。また、コロナ禍を受けてこうした場面での対応方法にも様々な変化が起きています。直接接触を避ける、人工呼吸は無理に行う必要はないといった点です。日常的に行うようなものではありませんので、咄嗟に行動が取れるよう何度も繰り返し学んでおくようにしたいと思います。

<Web研修>
研修名:Post Endodontic Restoration 根管治療後の修復処置
講 師 :川合 宏樹

深い虫歯や転倒による歯の破折・脱臼といった外傷により、歯の損傷が大きかった場合、歯の神経をとる(抜髄といいます)という処置を行うことがあります。そして、歯の内部に侵入した細菌による感染を可能な限り抑えたら、神経の合った部分を封鎖する(根管充填といいます)という処置が施されます。その後、失われた歯を補うため、歯の土台となる部分を補強(支台築造といいます)し、その後、歯の全面を覆うように被せるという治療を選択します。
この一連の流れにおいて、重要なのが、歯の内部への細菌の再侵入・再感染(細菌漏洩といいます)をいかにして防ぐかということです。いかに理想的な根管充填がなされていても、その後の処置の流れ一つで、細菌漏洩が生じれば、いずれ再治療を余儀なくされることとなります。私自身、歯科医師となった頃は、根管充填後、症状再発の有無を観察するため、即日、支台築造を行うことは少なかったように思います。もちろん、歯の損傷状態にもよるのですが、細菌漏洩防止の観点からは、「根管充填し即日、直接法による支台築造する」という流れが理想的であるとのことでした。
また、いかなるケースにおいても支台築造を行うべきかどうか、という課題についても考察がなされていました。近年の接着修復材料の進歩はめざましいものです。したがって、患歯の歯質の残り方や量を踏まえて、将来的な歯根破折リスクを最小限にするための指針が示されていました。
人が物を食べる以上、虫歯や歯周病といった感染症から逃れることは難しいでしょう。したがって、いかにリスクをコントロールできるか、つまり、予防歯科という考えを来院される方に啓蒙していけるか。これが、歯の喪失リスクの低減につながり、いつまでも美味しく物を食べられる口腔を保つことになり、健康寿命の延伸に直結することだと信じて、日々取り組んでいこうと思います。

        

担当歯科医師 林 裕之

8月勉強会 (8月8日)

研修名:オーラルフレイル・口腔機能低下症を見つけたらどうするか?
講師 :米永 一理

今回の勉強会は、オーラルフレイル・口腔機能低下症の診断や口腔領域からのアプローチについて学びました。どのようにしてこれらを予防できるのか、どのように治療介入を行い改善を図っていくのか、というお話でした。
その中で、米永先生が研究されている「イートロス」「カヘキシア」という言葉がとても印象に残りました。
イートロスというのは、直訳の通りに食べられない状態が続くことです。また、カヘキシアというのは、イートロスが発展し低栄養状態から筋肉量が低下してしまった状態を指し、「疼痛」・「疾患関連うつ」と並んで、「人の3大苦痛」と呼ばれています。中でもカヘキシアは唯一、治療方法が確立していないため、カヘキシアの進行はすなわち死に至る、と言えることから、その原因であるイートロスやオーラルフレイルは単なる口腔機能の異常ではなく、生命に関わる重大な疾患であると捉えるべきだと思います。イートロスを予防する・早期発見・早期治療に繋げる、このことがとても重要になってくると言えますので、そのサインを見落とさないこと、治療介入する中で、一体何が最も問題なのかをまず見極め、口腔機能低下症と診断できることが大切です。
オーラルフレイルは当然、治療を行い改善することが可能です。わたしたち歯科医師・歯科衛生士が少しでも早いうちにこれに気づき治療介入することで、カヘキシアへの進行を防ぐことが可能になります。そのためにも、医科歯科連携をできるだけ緊密に行って、患者様に寄り添った治療をしていくことが重要だと感じました。

       

歯科医師 川元潤一郎

7月勉強会 (7月4日)

蒸し暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?歯科医師の西堀友啓です。
近年、加齢に伴う多くの臓器の生理学的な冗長性が全般的に障害された状態をいうフレイルや、不活動状態によって生じる廃用症候群という二次障害、運動器障害のため移動が困難になった状態をいうロコモティブシンドロームといった言葉をよく目にするようになりました。今回の勉強会では、「オーラルフレイル」に関わる口腔機能低下症における具体的なリハビリテーションを学ぶことができました。

<WEB研修>
研修名:今、この時だからこそ口腔ケア・口腔リハビリを!
     ~口腔ケア専用ブラシを使用した口腔ケア・口腔リハビリ方法~
講師 : 黒岩 恭子

食事の時の基本姿勢は摂食嚥下機能に大きく影響を与えます。その基本姿勢として、
・足底を床にしっかりつける
・テーブルの高さは腕を置いたときに肘が90度に曲がる高さ
・上半身は直立またはやや前傾
・頸部は軽く前屈している状態など、
実は非常に細かく意識を払う必要があるものなのです。
頸部が伸展することを防ぐことが、誤嚥を起こしにくい環境を整えることだということの大切さを実感しました。
口腔周囲の筋肉、舌の筋肉、頸部の筋肉などは、正常の嚥下運動を行う上で非常に重要です。これらの筋力低下を防ぎ、維持するためのリハビリテーションは非常にたくさんあります。口腔リハビリテーションに使用するグッズも、患者様に合わせてオリジナルのものを作るなどの工夫も時には必要なのだと感じました。口腔機能の協調運動を引き出したり、舌運動機能の訓練をしたりすることで、口腔内の自浄作用が保たれ、舌の形状や動きにも変化が出てきます。嘔吐反射が強いために義歯を使用できないという症例でも、リハビリグッズを作製して、脱感作のための訓練を繰り返すことで義歯作製が可能になったりすることもありました。
口腔ケア、口腔リハビリテーション、義歯治療、食事形態の調整を同時に行い、食べる機能障害を改善し、経口摂取が可能な状態へ回復させる。これこそが、日々の生活の質の向上につながり、食事をする喜びを取り戻せることが、健康にも繋がるわけです。口腔機能低下症というのは何も高齢化に伴う機能低下ばかりではありません。先天性の障害により、生後すぐに胃瘻造設を余儀なくされた乳児です。こうした場合でも、グッズを使ったトレーニング、口腔ケア専用ブラシによるストレッチなどのリハビリテーションを行っていきます。とある症例では、乳児の口の動きにゆっくりでも成果が出てくることで、御両親との信頼関係が構築されていき、乳児自身だけでなく、御家族全体の生活活動の向上につながっていくということものを目の当たりにし、大変感銘を受け非常に意義のある学びとなりました。

       

歯科医師 西堀

6月勉強会 (6月6日)

6月の勉強会は、前半は毎年実施している防災訓練を実施。
後半は当院歯科医師 小倉先生に講義をして頂きました。

<防災訓練>
動画視聴
タイトル:地震から命を守る家具類の転倒・落下・移動防止対策
―東京消防庁公式チャンネルよりー

地震大国日本において阪神淡路大震災や東日本大震災クラスの地震はどこでも発生してもおかしくないという事は認識しておく必要があり、昨今、比較的大きな地震が四国内でも感じられることが増えたように思います。近々起こるとされている南海トラフ地震、いつ発生してもできるだけ被害を最小限に抑えられるようにする対策や 心掛けを持っておくようにはしたいものです。
防災訓練の実施は義務化されており、優心会でも年2回実施しています。しかしながら、コロナ禍に入ってからは、感染予防のため、模擬消火訓練や避難訓練といった、密を生じる訓練内容での実施ができておらず、一人ひとりに防災の意識づけをすることが難しいなと思っています。
今回は家具転倒防止対策に関して、事前に医院内の現状を巡視し、問題点の抽出をおこなった上で、実際の対策について動画を用いて理解を深め、各院において、早急に改善できる箇所から改善を図っていこうということになりました。棚など転倒の恐れのあるものに関してはレイアウトの見直し、転倒による直接的な怪我、火災発生、避難障害の防止を図るとともに、L型金具・ポール式器具・ストッパー付きマット等を使用して転倒防止対策を講じる必要があります。歯科医院においては鋭利な刃物、劇薬などの薬品の取り扱いも多いことから、地震対策のためだけではなく、常日頃からの整理整頓を心掛ける必要があると感じました。観音開きの棚においては地震規模によっては容易に開いてしまい、収納された物品が散乱する可能性が高いので、簡易なフックのようなものの設置も検討する必要があると感じました。

<院内研修>
研修名:院内感染対策(施設基準)
講 師:小倉 直 先生

コロナ禍により、人々の感染対策に対する理解・意識は非常に引き上げられたことは、なんとも皮肉な話です。しかしながら、医療現場においては様々なシチュエーションでの感染リスクが待ち受けています。そもそも感染対策として講じるべきことは?万が一、感染が疑われるようなことになった場合、どのように対処すべきなのか?拡散しないためにはどう行動すれば良いのか?といったことを改めて学び・考え、日々の診療に細心の注意を払ってあたることを意識させるための重要な研修でした。
今回は、HBV・HCV・HIV・TPといったものへの理解を深めました。中でもHBVに関しては未だ有効な治療方法は確立されておらず、肝硬変や肝臓がんへの移行リスクも高いことから、新型コロナウイルス感染症なども含めた他の感染症と比しても一層の注意が必要と考えられます。HBVは血液感染によるものなので、特に歯科治療現場においては針刺事故や血液の飛散による粘膜を介した感染への対策が重要ですので、「感染を起こさない」ということが何より重要ですが、万が一にも感染を起こした場合に備えてのワクチン接種やマスク・フェースシールドなどによる対策も重要と言う事を再認識できた研修でした。

<訪問口腔リハビリテーション>

歯科治療には、保険診療と自費診療とがあります。
保険診療とは、国が定める規則に従って定められた診療報酬のもと、患者様に提供される診療になります。この規則が、2年ごとに改正が行われています。この改正内容から、日本社会における歯科医療へのニーズや国が重点課題とする分野を推し量ることができます。
優心会では今回の改正で訪問診療における「訪問口腔リハビリテーション」や「栄養サポート」といった分野への舵切りがなされたと捉えています。平均寿命が年々延びる一方で、「健康寿命」というものが注目されています。人にとって最後に残る「食べる喜び」をサポートすることが、私たち歯科医療従事者の使命であることを再認識しました。単にむし歯や歯周病を治療し、予防に取り組み、入れ歯を作り、噛めるようにしても、飲み込むことがままならない、となっては結局食べる喜びを失うことになるのです。 口腔機能が低下した患者様、摂食嚥下障害を患っている患者様に対して、訪問口腔リハビリテーションを実施し、栄養士さんなど多職種間での連携を図って取り組んでいけるよう、今後、院内勉強会で様々なリハや管理指導方法を研修できるので楽しみです。

        

歯科医師 阿部 隆

5月勉強会 (5月10日)

<WEB研修>
①研修名:磁性アタッチメント
  講師  :日本歯科医学会(ナレーションのみ)

近年、むし歯の罹患率や歯の喪失率は減少傾向にあります。これは、社会的にみて歯科においても予防歯科という考え方が徐々にではありますが浸透してきていることの現れだろうと思います。しかしながら、高齢化の進む日本社会においては、歯を失ったことで「義歯」を使用する必要性に見舞われる方はまだまだ多いです。とりわけ、総義歯においては、「外れやすい・しっかり噛めない」などの訴えに直面することが日々の臨床においても少なくありません。こうした問題の解決策の一つに「磁性アタッチメント」があり、これまでは全てにおいて自費診療だったのですが、昨年9月から保険適用となりました。
これ用いることで、義歯としては「支持・維持に優れる」、「着力点が低くなり歯にかかる負荷が軽減できる」、「鉤歯の歯軸方向を気にするといったことがなくなることで着脱が容易となる」、といったことが期待できます。患者様のQOL向上につながるとともに、義歯に対したもたれがちなマイナスイメージも多少、変わってくることが期待できると感じています。
今月の勉強会では、あらためて磁性アタッチメントの製作手順や注意点を学びました。
「形成→印象→根面板・磁性アタッチメント・キーパーの装着→清掃・管理」について、一連の臨床術式を動画で確認しました。
特に形成においては、「軟化象牙質を残さない」「ポストの太さ・長さの過不足ないように設定する」「SCTAを阻害しない適切なマージン設定を行う」
印象においては、「圧排糸などを用いて防湿環境を整えたうえで実施すること」「アンダーカットのない外側性・内側性に注意した形成が行われていること」を大切にしなければいけません。
このように製作における重要な項目をわかりやすく学ぶことができました。保険適応になって日が浅いこともあり、まだまだ患者様には認知されておらず、歯科医師側もこれまで日常的に携わることの少ない分野であっただけに、必要な技術の習得を行いつつ、患者様への治療オプションとしての積極的な提案ができればと考えています。

②研修名:歯科医院で行う訪問栄養食事指導
  講師  :稲山未来 先生(管理栄養士)

脳卒中の後遺症や高齢化に伴う口腔機能の低下により、摂食嚥下機能の低下をきたす患者様は少なくありません。明らかな症状を抱えて治療の異例に至るケースもさることながら、機能低下をあまり自覚・他覚されないまま放置されている潜在的な患者様も少なくないと感じています。高齢化の進む日本社会では、歯の治療や予防だけが歯科医師の仕事ではありません。医師、管理栄養士をはじめとする介護に携わる全ての職種の方と連携を図り、摂食・嚥下障害を抱える患者様への口腔リハビリや栄養指導を適切に行い、ご家族と連携して改善を目指すことも大切な役割です。当院は訪問診療に力を入れていることもあり、このような患者様に遭遇する機会は少なくありません。しかしながら、リハビリや訓練に取り組んで改善を目指すことよりも食事のレベルを下げたり経口摂取から経管栄養に切り替えることの安全性を取るという意識と多職種で連携して改善に取り組むということが常態化していないこともあり、ニーズが多いという実感はありません。しかし、現代社会において今後、必要不可欠となってくることは確実であろうと感じていました。
今回の勉強会では、管理栄養士という職種を理解し、医師指導のもとで行われる栄養指導において、歯科医師はどのような角度でコンタクトを持って介入していけるものなのか、ということを学びました。
今回の講師は「歯科管理栄養士」という経歴をもっておられました。正直、初耳でした。
歯がないから食べられない、それは当然なのですが、ただ歯を補えば食べられるようになるとも限らない。「摂食嚥下」というプロセスにおいて、摂食の部分だけに介入するのではなく、嚥下における口唇・舌・下顎の動かし方、さらには食事時の周囲の環境や姿勢にも着目することが必要であるということでした。実際の症例を用いた解説では、胃ろうによる経管栄養から完全経口摂取へと回復を果たしたケースが紹介されており、回復の可能性の大きさとともに、周囲の人間がいかに前向きにサポートすることができるかが鍵になるのだなと感じました。

4月勉強会 (4月11日)

昨年に引き続き 今年度初めての勉強会は 毎年開催しております 、1年間をより実りあるものにするための決起集会でもある当法人の行事「キックオフ」が 4月6日に一部のスタッフ(幹部役員各医院院長 主任のみ)により行われ その録画を視聴するということになりました。

大塚歯科医院 副院長 林 裕之先生より

新型コロナ感染症が確認されてすでに3年以上が経ちました。「コロナ禍」がこれほど長く私たちの日常を圧迫し続けると予想できた人がどれほどいたことでしょうか。見えそうで見えない出口が1日でも早く訪れることを願うばかりです。
さて、新年度を迎え、優心会では恒例のキックオフを4/6に執り行いました。本来ならば、香川・岡山のスタッフが一堂に会して、新たな一年を力を合わせて頑張っていこうと話し合える場なのですが、本年度もやはりリモートにて人員を限定して開催しました。今月の勉強会の時間においては、その時の模様を全職員で視聴し、優心会としてコロナ禍の中、どのような目標を持って事業を進め、地域社会へ貢献していけるのか、ということを考え、意識の共有を行いました。
新年度を迎えると、保険制度の改定が行われます。若年者のむし歯罹患率の低下と高齢化の進む現代社会においては、先進の治療ももちろん大切なのですが、何よりも「予防」が大切と考えられています。本年度から、歯科におけるメンテナンスに関して、制度の改定が大きく行われました。より多くの人が自身の口腔に関心を持ち、「いつまでも自分の歯で美味しく食事が取れて元気に過ごせること」を目指すものだと私は解釈しています。来院された皆様には、是非ともその大切さを共感してもらえるような診療を心がけていきたいと思います。

2月勉強会 (2月7日)

WEB研修

研修名 :歯内療法学会ガイドライン 解説
一般財団法人 日本歯内療法学会編

本日の勉強会のテーマは歯内療法学についてでした。
近年、どれだけ残存歯を多く残すことができるかということの重要性が再度見直されつつあり、そのためには歯髄、いわゆる神経を残すことが非常に重要であるということが明らかにされています。この傾向を受けて歯髄保護に重きをおきつつも、依然として歯髄を取り除く抜髄治療、その後の感染した根管内を無菌化する感染根管治療、両者ともに診療回数が減少しているとは言えない状況です。
歯内療法の目的とは、根尖性歯周炎の予防と治療です。そして、この予防には無菌的な根管内環境を確立するということが必須条件です。そのために、主に機械的拡大・化学的洗浄・根管内貼薬の3手法が用いられています。とはいえ、口腔内は一般的に唾液により潤っておりますので、唾液中に含まれる多量の細菌により根管治療中は常に細菌感染リスクに曝露されています。昨今では、このリスク低減・回避を目的として、ラバーダム使用下での処置が強く推奨されています。
歯内療法に用いられる薬剤、ファイルやマイクロスコープなどの器具・器材の改良は近年めざましく、治療を格段に優位に行える環境が整ってきているといえるでしょう。しかしながら、歯内療法における成功、確固たる治療手順といったものは未だ明確には確立されておらず、各々主治医の経験や判断に委ねられているのが現状です。これらの状況を踏まえて、以下の3つの観点から議題が設けられ、エビデンスを伴った研究にて結果を照合するという検証が行われていました。
1.治療回数による有効性について
2.処置後の鎮痛薬処方の可否について
3.処置後の抗菌薬投与の可否について でした。

いずれも、エビデンスの確実性が低く、推奨の程度も低いといった結果になっていました。確かに、日々の臨床においても手法は様々で、確固たる通法というものがないと感じており、経験則に頼ってしまう側面があるということは認めざるを得ないのだと思いました。しかし、EBMに基づいた診断、治療の重要性を心にとどめて、EBMに基づいた診療を行えるように努めることは、根管治療に限らず、全ての領域において大切だと感じました。

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研修歯科医師 齋藤

1月勉強会 (1月17日)

WEB研修

研修名:欠損補綴におけるパーシャルデンチャーの優位性と治療戦略
オーバーデンチャー編
 講 師:相宮 英俊 先生

今回は欠損補綴に対するオーバーデンチャーについて学びました。オーバーデンチャーというと、個人的には「残根の上にただ義歯を入れて覆い噛めるようにするもの」という漠然なイメージしかありませんでした。

しかし、そんな安易なものではなく、作製にあたっては何より、残存する根や顎堤の形状にあわせて、義歯の着脱方向とアンダーカットをよく考えなければならないものであることを知らされました。残存歯のない顎堤とは異なり、残根を有する顎堤の場合、上顎前歯部では、一般的な歯軸方向の傾斜の影響で、歯槽部顎堤頂から頬粘膜移行部にアンダーカットが生じます。したがって、このアンダーカットへの対応が重要になります。一般的に外科的侵襲は行わず、
・義歯床の床縁を最大豊隆部に設定する
・天然歯と顎堤の形を整えアンダーカットをなくす
・残根を抜歯し、顎骨の吸収を待つ
といったアプローチがとられることも学べました。

また、すれ違い咬合などで咬合平面の崩れてしまった患者様に対して、オーバーデンチャーとすることで平坦な咬合平面を付与することが可能となった症例、顎堤の高度吸収をきたした症例に対してオーバーデンチャーにより意地を獲得するという症例、などは自分が今まで見たことのない症例であっただけに、大変興味深いものでした。

最近は、磁性アタッチメント義歯が保険収載されましたので、「オーバーデンチャーでは、残根には根面コーピング」するしかないという考え方も変わることになりそうです。従来、磁性アタッチメントの装着は保険適用外の治療ということもあり、積極的に行われるものというわけではありませんでした。高齢化の進む現代社会で、義歯に対するニーズはより深まることは必至なだけに、オーバーデンチャーという可能性にもっと研鑽を深めていく必要を感じました。

研修歯科医師 舩橋

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