7月勉強会「ホワイトニングの話と商品説明」

ウルトラデント株式会社 近藤 潤一 様より

今月の勉強会は歯のホワイトニングについて、商品説明を兼ねて行われました。

歯のホワイトニングには、自宅でご自身により行う「ホームホワイトニング」、歯科医院で歯科医師や歯科衛生により行われる「オフィスホワイトニング」という2つの手法があります。ホームホワイトニングの利点としては、痛みが少なく色戻りがゆっくりであること。欠点としては色の変化に時間が掛かることが挙げられます。一方、オフィスホワイトニングはこの逆の特徴を持っています。したがって、それぞれの欠点を補うために、2つの手法を組み合わせて行う「デュアルホワイトニング」という手法があります。

歯のホワイトニングは、専用の薬剤が歯面から吸収されることで、歯の内部から歯を白くします。この薬剤の取り扱いは歯科医師に許されたものです。一時期よりもホワイトニングの需要が高まっていることもあり、巷では安価にホワイトニングが受けられるとうたったものがあります。しかし、これはいわゆる「ホワイトニング」とは異なり、歯の表面の色素・汚れを落とすことで歯を白くする、いわば「クリーニング」と呼べるものですので、仕上がりの白さは絶対的に違ってきますので、この違いを患者様に正しく認識していただけるように説明することが大切と学びました。当然ながら歯のクリーニングは、歯科医院において保険診療として受けることができる医療行為ですから、患者様があやまって高い費用を負ってそうしたものを選んでしまわないように情報提供できる歯科医師でありたいと感じました。

歯のホワイトニングにももちろんできないことがあります。金属性の着色・テトラサイクリン歯・血液の残留による象牙質の変色などです。一部はオフィスホワイトニングで解消できる場合もありますが、万能ではないこともやはり患者様に正しく知ってもらうことが必要です。

そして、誰でも受けられるわけではないこと。つまり、妊娠中や授乳中の女性、むし歯のある歯や亀裂・破折をきたしている歯には用いることができない点も注意が必要です。

今回、ウルトラデント社からは、「オパールエッセンスgo」という患者様自身の専用マウスピースの作製を必要としないホームホワイトニング材が推奨されていました。もちろん、歯並びなどの問題で適応できないケースもありますが、事前準備が不要という点では、手軽にホワイトニングを始められると言える商品と感じました。歯に作用する薬剤ジェルもpHが中性で口の中に優しいという特徴があり、大変いい製品を教えていただきました。
ホワイトニングは歯に薬剤が浸透して作用しますので、術後に知覚過敏症状が生じることがあります。同社からは、およそ3割の方で多少なりとも知覚過敏症状が生じるとおっしゃっていました。こうした症状に関しては薬剤を用いた対処法があります。

私達自身、ホワイトニングについての理解がまだまだ浅く、そのため難しいなのかなと感じ、学生時分は興味があまりもてなかった分野でしたが、こうして改めて勉強してみたことで、知識も深まり大変興味がもてて患者様にもお勧めしたいと思いました。

研修歯科医師 朱 孔暉