2月勉強会「摂食・嚥下障害訓練の実際とその重要性」・「Endo Case Discussion #4」

2月は2件の勉強会を行いました。

タイトル:「摂食・嚥下障害訓練の実際とその重要性」

講師: 戸原 玄先生

歯科界では、摂食・嚥下機能の重要性が高まっています。健康長寿の秘訣の一つとして、自力で口から食事をとることの大切さが認識されています。当院では訪問診療を重視しており、摂食・嚥下機能が低下している患者様への対応を深めています。本勉強会では、安全かつ安心して口から食事をとれるよう支援する方法を学びました。

疾患や加齢により、口周りの筋力が低下すると嚥下障害が生じることがあります。入れ歯の使用についても、患者様の状態に応じた適切な対応が求められます。また、経管栄養による長期的な絶食状態は、歯列の傾斜や嚥下機能の低下につながることがあります。これを防ぐために、早期にマウスピースの作製を推奨しています。嚥下機能は、顎の動きや体幹の筋力とも関連しており、日常生活での運動が重要となっています。

勉強会では、新たな知見も得られました。例えば、手作りの胃ろう食が微生物叢に与える影響、トロミ剤の利用、炭酸とろみ水の効果などです。今回のキーワードとして、「メタ認知」「口以外の情報を知る」嚥下関連筋肉のトレーニング」「体幹筋力の重要性」「腸内細菌の役割」「嚥下障害は高齢者に限らない」「他者との共感」などが挙げられました。

タイトル:「Endo Case Discussion #4」

講師 :吉岡 隆知先生・吉岡 俊彦先生

根管治療の新たな知識と技術について学びました。

特に、補綴物穿孔下での根管治療と特定の病変がある根管の治療に焦点を当てました。補綴物穿孔下での治療は、歯質の保存や治療回数の削減などのメリットがありますが、術野の限定やパーフォレーションのリスクなどのデメリットもあります。また、特定の根管に病巣がある場合、CBCTを用いて正確な診断を行い、不必要な介入を避けることができます。これらの治療では、マイクロスコープの使用が推奨されるとのことでした。補綴物の脱離リスクや歯質の過剰切削などの問題にも注意が必要です。

これらの知識を踏まえ、各患者様の状況に合わせた最適な治療法を選択することの重要性を学びました。

研修歯科医師 古堅 育男